転職

あなたは今、仕事と親御さんの介護の両立で、心身ともに疲れを感じていませんか?

私たち介護職は、ご利用者様の生活を支える大切な役割を担っていますが、同時に自身の家族の介護に直面することも少なくありません。特に、親御さんの介護が必要になった際、「自分も介護のプロなのに、なぜこんなに大変なんだろう」と、葛藤を抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この状態を「ダブルケア」と呼びますが、その負担は想像以上に大きく、一人で抱え込もうとすると心身に限界が来てしまうこともあります。しかし、安心してください。適切な情報と戦略があれば、ダブルケアの負担を軽減し、ご自身のキャリアも守りながら、前向きに両立していく道は必ず見つかります。

このコラムでは、私自身の13年間の介護現場経験と、最新のデータ分析に基づき、ダブルケアに直面する介護職の皆さんが「自分を守る」ための具体的な働き方戦略をご紹介します。一人で悩まず、一緒に解決策を見つけていきましょう。

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Current Situation介護職が直面するダブルケアの現実:データで見る負担度と特有の悩み

介護職は、シフト制勤務や夜勤、身体介護を伴う業務など、体力的・精神的に負担の大きい仕事です。その一方で、親御さんの介護が必要になると、介護保険制度の申請手続き、ケアプラン作成、通院の付き添い、自宅での介助など、新たな役割が加わります。

厚生労働省の調査では、働く人の約2割が家族の介護・育児と仕事の両立に悩んでいるというデータもあります。特に介護職の場合、仕事で介護をしているからこそ、「家族の介護くらい自分でできるはず」というプレッシャーを感じたり、職場の同僚に相談しづらいと感じたりする方も少なくありません。

私自身も、後輩から「プロなのに、自分の親の介護でこんなに疲弊するなんて情けないです」と相談されたことがあります。しかし、プロとして仕事で介護をすることと、プライベートで家族の介護をすることは、全く性質が異なります。仕事ではチームで分担し、役割が決まっていますが、家族の介護は感情的な側面も大きく、一人で抱え込みやすい傾向があるのです。

💡 ポイント

介護職だからこそ、ダブルケアのプレッシャーを感じやすいのは自然なことです。一人で抱え込まず、外部のサポートや制度の活用を検討することが重要です。

介護と仕事の両立については、子育て中の介護職の方も同様の悩みを抱えています。詳しくは「両立は無理」は本当?子育て介護職の現状データで解説していますので、ご興味があればご参照ください。

Support Systems「もう無理」と感じる前に!利用できる公的支援・制度を徹底解説

「もう無理だ」と感じる前に、ぜひ知っておいていただきたいのが、国や企業が提供している公的な支援制度です。これらを活用することで、ダブルケアの負担を大きく軽減できる可能性があります。

介護休業制度

家族の介護のために、一定期間仕事を休むことができる制度です。対象家族1人につき、通算93日まで取得できます。雇用保険の被保険者であれば、介護休業期間中に「介護休業給付金」を受け取ることが可能です。

介護休暇制度

家族の介護や通院の付き添いなどのために、短期間(1日単位または時間単位)で仕事を休むことができる制度です。対象家族が1人の場合は年に5日まで、2人以上の場合は年に10日まで取得できます。

短時間勤務制度

介護が必要な家族がいる場合、所定労働時間を短縮して働くことができる制度です。介護休業とは異なり、仕事を続けながら介護との両立を図る際に役立ちます。事業主は、労働者からの請求があった場合、これを拒否できないとされています。

❗ 重要

これらの制度は、法律で定められた労働者の権利です。遠慮することなく、ご自身の状況に合わせて活用を検討しましょう。まずは職場の担当部署や上司に相談することから始めてみてください。

Work Style Review仕事と介護を両立する「働き方」見直し戦略:職場の理解を得るには

公的制度の活用と並行して、職場の理解を得ながら、ご自身の働き方を見直すことも非常に重要です。上司や同僚に状況を伝え、協力を得ることで、精神的な負担も軽くなります。

職場への相談と情報共有

親御さんの介護が必要になったら、まずは信頼できる上司や人事担当者に相談しましょう。その際、以下の点を具体的に伝えることが、職場の理解を得る上で効果的です。

  • 親御さんの現在の状況と、今後予測される介護の必要性
  • 利用を検討している介護保険サービスや公的支援制度
  • 希望する働き方(時短勤務、夜勤免除、特定の曜日の休みなど)

具体的な要望を伝えることで、職場側も対応策を検討しやすくなります。日々の業務における情報共有も密に行い、チームで協力できる体制を築くことが大切です。

柔軟な働き方の選択肢

働き方を見直す際には、いくつかの選択肢があります。

  • 時短勤務・パートタイムへの変更: 労働時間を短縮することで、介護に充てる時間を確保します。
  • 夜勤免除・日勤常勤への変更: 不規則な勤務体系が介護の妨げになる場合、日中の勤務に限定することも可能です。
  • 部署異動・配置転換: 業務内容や勤務形態がより柔軟な部署への異動を検討するのも一つの手です。

最近では、介護現場でもICT化やDX化が進み、業務効率が向上している事業所も増えています。そうした職場では、柔軟な働き方への理解も進んでいる傾向があります。介護現場のDX化については、2026年介護DXの衝撃!現場で何が変わる?(データと未来予測)で詳しく解説しています。

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Career Protection介護離職は最終手段じゃない!キャリアを守る転職・配置転換の選択肢

「もう今の職場では無理だ」と感じたとき、介護離職を考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、介護離職は、ご自身のキャリアと経済状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。まずは、キャリアを継続しながら介護と両立できる選択肢がないか、徹底的に検討することをおすすめします。

介護離職のリスク

介護離職は、一時的に介護に専念できるメリットがある一方で、以下のようなリスクが伴います。

  • 経済的リスク:収入が途絶え、貯蓄を切り崩す生活になる可能性があります。介護費用は高額になることもあり、経済的な負担は大きいです。
  • キャリアの中断:一度離職すると、再就職の際にブランクが不利に働くことがあります。また、介護業界の知識やスキルが陳腐化する可能性も否定できません。
  • 精神的孤立:仕事を通して得られていた社会との繋がりが希薄になり、介護に追われる日々の中で孤立感を感じることもあります。

厚生労働省の「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職員の平均月収は約29.3万円(常勤)ですが、介護福祉士の資格を持つ方では約33.1万円に達しています。また、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所は95.5%にのぼり、これにより月額平均で約3.7万円の賃金改善効果があることも示されています[出典: 厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」]。これらのデータからもわかるように、介護職は専門性を高め、適切な職場を選ぶことで、安定した収入を得られる職種です。安易な離職は、こうした積み上げてきたキャリアと収入を失うことにも繋がりかねません。

介護福祉士の資格は、安定したキャリアを築くための「最強のパスポート」とも言えます。詳しくは介護福祉士は「搾取されない」働き方への最強パスポート!で解説しています。

転職・配置転換で働き方を変える

今の職場で柔軟な働き方が難しい場合は、転職も視野に入れるべき選択肢です。介護職には多様な働き方があり、ご自身の状況に合った職場を見つけることが可能です。

働き方・施設の種類 メリット デメリット
訪問介護 勤務時間が比較的柔軟。直行直帰で時間を有効活用しやすい。 一人での対応が多く、緊急時の判断力が必要。移動時間が発生。
デイサービス 日勤のみの勤務が基本。夜勤がないため、生活リズムを保ちやすい。 土日祝日も開所している場合がある。送迎業務が発生することも。
有料老人ホーム・グループホーム 施設内で完結するため、移動がない。日勤常勤や夜勤免除の相談が可能な場合も。 夜勤がある場合が多い。複数の利用者様を同時にケアする能力が求められる。
介護事務・相談員 身体介護が少なく、デスクワークが中心。 資格や経験が必要な場合がある。現場での直接的なケアとは異なる。

ご自身のスキルや希望する働き方に合わせて、最適な職場を探すことが重要です。介護職の平均給与についてもっと詳しく知りたい方は、介護職の平均給与、あなたは適正?最新データで自己診断もぜひ参考にしてください。

⚠️ 注意

転職を考える際は、必ず事前に情報収集を徹底しましょう。求人情報だけでなく、職場の雰囲気や実際の働き方について、転職エージェントなどを活用して詳しく確認することをおすすめします。

Roadmapダブルケアを乗り越え「自分らしい働き方」を叶えるロードマップ

ダブルケアの負担を軽減し、ご自身のキャリアも守りながら、自分らしい働き方を実現するためのロードマップを以下に示します。焦らず、一つずつ実行していくことが大切です。

  1. 現状把握と情報収集:
    • 親御さんの介護状況、必要な介護レベル、利用可能な介護保険サービスなどを詳細に把握します。
    • 職場の介護休業・休暇制度、短時間勤務制度など、利用できる社内制度を確認します。
  2. 職場への相談と働き方の検討:
    • 上司や人事担当者に、具体的な状況と希望する働き方を相談します。
    • 時短勤務、夜勤免除、日勤常勤など、ご自身の状況に合った働き方を検討します。
  3. 公的支援・外部サービスの活用:
    • 介護保険サービス(デイサービス、訪問介護など)を積極的に利用し、ご自身の負担を軽減します。
    • 地域の相談窓口(地域包括支援センターなど)に相談し、専門家のアドバイスを受けましょう。
  4. 必要であれば転職も視野に:
    • 今の職場で柔軟な働き方が難しい場合、介護職専門の転職エージェントに相談し、自分に合った職場を探します。
    • 訪問介護やデイサービスなど、日勤中心の働き方が可能な事業所も検討してみましょう。
  5. 自分自身のケアを忘れずに:
    • ダブルケアは長期戦です。ご自身の心身の健康を最優先に考え、休息やリフレッシュの時間を確保することが何よりも大切です。

💡 ポイント

ダブルケアは一人で抱え込む問題ではありません。家族、職場、公的機関、そして信頼できる友人・同僚など、様々なサポートを積極的に活用しましょう。あなたの頑張りを理解し、支えてくれる人は必ずいます。

ダブルケアは決して簡単な道のりではありません。しかし、適切な情報を知り、一歩ずつ行動することで、必ず道は開けます。私たち「介護キャリアPlus」は、あなたのキャリアと生活を応援しています。いつでもご相談ください。

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この記事を書いた人

Tom|介護現場13年の先輩

介護業界で13年の経験を持つ。データ分析が好きで、後輩の相談に乗るのが得意。押し付けず、一緒に考えるスタンス。

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ゆい

ゆい

特養→訪問介護→デイと転職を重ね、給料と人間関係を自力で改善してきた介護現場12年の先輩。データと現場の感覚の両方を大事にするタイプ。後輩の悩みに寄り添うのが好き。