転職

新年度が始まり、新しい環境や役割に気持ちを新たにされている方もいらっしゃるかもしれませんね。

一方で、「この給料で、本当に自分の仕事に見合った評価を受けているのだろうか?」「もしかしたら、自分は損をしているのではないか?」と、漠然とした不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

介護業界で10年働き、多くの後輩の相談に乗ってきた私Tomも、そうした声に触れる機会が少なくありません。特に新年度は、給与や待遇の見直しが行われる時期でもあり、ご自身の状況を客観的に見つめ直す良い機会だと思います。

このコラムでは、介護職の方が給与や待遇に関して「損してしまう」原因を5つの罠として解説し、そこから抜け出すための具体的な「回避術」をお伝えします。

データに基づいた客観的な視点と、現場の経験から得た実践的なアドバイスで、あなたのキャリアを応援できれば幸いです。

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Career Data新年度に陥りがち!給与交渉・昇給査定で「損する人」の特徴

新年度は、人事評価や昇給のタイミングとなることが多く、ご自身の給与や待遇について考える良い機会です。しかし、この時期に「損をしてしまう」介護職の方には、いくつかの共通した特徴が見られます。

厚生労働省の調査によると、常勤の介護職員の平均月収は約29.3万円(※1)、基本給等は月額253,810円で、前年比4.6%増と報告されています(※2)。業界全体の賃金は上昇傾向にありますが、この平均値とご自身の給与を比較した際に、「あれ?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

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損する人の特徴として、まず挙げられるのは「自己評価が低い」ことです。ご自身のスキルや経験が、現在の給与に見合っているのか、客観的に判断できていないケースが少なくありません。また、「情報収集を怠る」ことも大きな要因です。他社の給与水準や、業界全体の動向を知らないと、ご自身の待遇が適正かどうか判断できません。

💡 ポイント

介護業界全体の給与は上昇傾向にありますが、ご自身の働きが適正に評価されているかを知るためには、客観的なデータと自己分析が不可欠です。

さらに、昇給や待遇改善の機会があっても、それを積極的に活用しない方もいらっしゃいます。例えば、上司との面談で要望を伝えなかったり、キャリアアップの相談を躊躇したりするケースです。会社側も、従業員一人ひとりの状況を全て把握しているわけではないため、ご自身から働きかけることが大切になります。

ご自身の給与が適正か、地域ごとの比較については、データで見る介護職の給与と処遇の現状でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

出典:
※1:厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」
※2:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」

Benefit Improvement知らないと大損!処遇改善加算の「見極め方」と「搾取されない」チェックリスト

介護職の給与に大きく影響する要素の一つに「処遇改善加算」があります。これは、介護職員の賃金改善を目的とした加算制度で、多くの事業所で導入されています。

実際、厚生労働省の調査では、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所は全体の95.5%に上り、この加算によって月額平均で約3.7万円の賃金改善効果があるとされています(※3)。これだけの金額が賃金に影響するにも関わらず、その仕組みを十分に理解していないと、知らず知らずのうちに損をしてしまう可能性があります。

2026年度には、これまでの「介護職員等処遇改善加算」が「介護従事者処遇改善加算」へと名称を変え、対象職種がケアマネジャーや看護職員、事務職員など、介護現場で働く幅広い職種に拡大される予定です(※4, ※5)。これは、現場を支える多様な職種全体の底上げを目指すもので、制度の大きな転換点と言えます。

⚠️ 注意

処遇改善加算は、事業所が取得し、その加算額を職員の賃金改善に充てるものです。そのため、事業所ごとの配分ルールや運用状況によって、実際に職員に還元される金額には差が出ることがあります。

「搾取されない」ために、以下のチェックリストでご自身の職場の状況を確認してみましょう。

チェック項目 詳細
加算の取得状況 ご自身の事業所が処遇改善加算を取得しているか、どの区分を算定しているかを確認していますか?
配分ルールの確認 加算の配分ルールや賃金改善計画について、説明を受けていますか?(賞与、月給、手当など)
明細との照合 給与明細に「処遇改善手当」などの項目があり、それが適正な金額であると感じますか?
職種間の公平性 他の職種や同僚と比較して、自身の賃金改善が公平に行われていると感じますか?(※2026年度改定で職種横断的な配分が可能になりますが、現行制度では介護職員が対象です。)
情報公開の有無 事業所が加算に関する情報を積極的に公開していますか?

もし、これらのチェック項目で疑問点が多い場合は、積極的に事業所に確認してみることをお勧めします。透明性の高い職場ほど、職員も安心して働けるものです。

出典:
※3:厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」
※4:処遇改善加算が介護従事者全体へ!令和8年度の臨時改定を解説 – NDソフトウェア
※5:【20260126】令和8年度処遇改善加算何が変わる?

Job Huntingその求人、本当に大丈夫?「高待遇」の裏に隠れた罠を見抜く方法

「月給〇万円以上!」「手取り〇万アップ可能!」といった高待遇の求人を見ると、つい心が動かされますよね。しかし、そうした求人の中には、一見すると魅力的でも、裏に隠れた「罠」があるケースも少なくありません。

例えば、基本給は低いのに、多数の手当や夜勤回数を増やすことで見かけ上の月給を高く見せている求人があります。また、試用期間中の給与が異様に低かったり、賞与の支給実績が不明確だったりするケースも注意が必要です。

❗ 重要

求人情報に記載されている「月給」だけを見て判断せず、その内訳(基本給、各種手当、残業代、夜勤手当など)を詳細に確認することが重要です。

高待遇の裏に隠れた罠を見抜くためには、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 給与の内訳を確認する: 基本給がいくらで、どのような手当が含まれているのかを具体的に確認します。特に「みなし残業」の有無や時間、夜勤手当の単価は重要です。
  • 年間休日数を確認する: 高給与の代わりに、年間休日が極端に少ない、有給休暇が取りにくいといった職場もあります。ワークライフバランスも考慮しましょう。
  • 賞与や退職金の有無・実績: 求人票に記載がない場合や、「業績による」といった曖昧な表現の場合は、面接で具体的な支給実績を確認することが大切です。
  • 離職率や平均勤続年数: 面接時に直接質問するか、可能であれば職場見学などで雰囲気を肌で感じるのも良い方法です。離職率が高い職場は、何らかの問題を抱えている可能性があります。介護職の離職理由No.1は人間関係?データで見る現状も参考にしてみてください。
  • 面接時の質問を準備する: 曖昧な点や疑問に感じたことは、面接時に積極的に質問しましょう。質問に対する相手の対応も、その職場の姿勢を知る上で重要な情報源となります。

「高待遇」という言葉だけに惑わされず、ご自身の働き方やキャリアプランに本当に合っているのかを冷静に見極めることが、失敗しない転職への第一歩です。

Career Path資格取得で年収が上がらない?努力が報われない人の決定的な違い

介護職としてキャリアアップを目指す上で、介護福祉士などの資格取得は非常に重要です。実際、厚生労働省の調査では、介護福祉士の平均月収は約33.1万円と、処遇改善加算を取得している施設全体平均よりも高い傾向にあります(※6)。

しかし、「資格を取ったのに、思ったほど年収が上がらない…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。努力が報われないと感じる方と、着実に年収を上げていく方には、決定的な違いがあります。

💡 ポイント

資格はあくまで「土台」であり、それをどう活かすか、どのような環境で働くかによって、年収への影響は大きく変わってきます。

年収を上げていく人の特徴は、以下の点が挙げられます。

  • 資格を活かせる職場を選ぶ: 資格手当が充実している、資格取得が昇進・昇格の要件になっているなど、資格を正当に評価してくれる職場を選んでいます。
  • 積極的にリーダーシップを発揮する: 資格取得後も、現場でのリーダーや指導役として積極的に業務改善や後輩育成に携わることで、役職手当や評価に繋げています。
  • 専門性を深める: 認知症ケア専門士やケアマネジャーなど、さらに専門性の高い資格取得を目指したり、特定の分野でのスペシャリストとして活躍したりすることで、市場価値を高めています。
  • 交渉力を磨く: ご自身のスキルや実績を具体的に提示し、昇給や待遇改善の交渉を適切に行っています。

資格取得は素晴らしい努力の証ですが、それが自動的に年収アップに繋がるわけではありません。その資格をどのように活用し、ご自身のキャリアパスを具体的に描くかが、努力を報われるかどうかの分かれ道となるでしょう。ご自身のキャリアプランを考える上で、データで見る!介護業界の「今」の給与水準も参考になります。

出典:
※6:厚生労働省「令和5年度介護従事者処遇状況等調査」

Action Steps「搾取されない」働き方へ!今すぐできる給与・待遇改善アクション

これまでの解説で、ご自身の給与や待遇について、漠然とした不安が具体的な課題として見えてきたのではないでしょうか。ここからは、「搾取されない」働き方を実現するために、今すぐできる具体的なアクションステップをご紹介します。

ステップ1:ご自身の市場価値を客観的に把握する

  • 自己評価シートの作成: ご自身の経験年数、保有資格、担当できる業務範囲、得意なケア、リーダー経験などを具体的に書き出してみましょう。
  • 他社の求人情報をリサーチ: 同等の経験・スキルを持つ介護職が、他の施設でどのくらいの給与・待遇で募集されているかを調べてみましょう。

ステップ2:職場内で改善交渉を行う

  • 具体的な要望をまとめる: 「〇〇の資格を取得したので、資格手当の増額をお願いしたい」「〇〇の業務改善に貢献したので、評価を上げてほしい」など、具体的な実績と要望を整理します。
  • 面談の機会を設ける: 上司との定期面談や、人事評価の機会を積極的に活用し、ご自身の考えを伝えます。感情的にならず、データや実績に基づいた冷静な交渉を心がけましょう。

ステップ3:転職も視野に入れ、情報収集を進める

  • 転職エージェントの活用: ご自身では探しにくい非公開求人や、職場の内部情報を提供してくれる転職エージェントに相談してみましょう。給与交渉の代行も依頼できます。
  • 複数の求人を比較検討する: 給与だけでなく、年間休日、福利厚生、職場の雰囲気、キャリアアップ制度など、多角的に比較検討することが大切です。

💡 ポイント

これらのアクションは、決して「今すぐ転職する」ことを意味するものではありません。ご自身の市場価値を知り、情報を持つことで、現在の職場で交渉する際の自信にも繋がりますし、より良い選択肢を見つけるための準備にもなります。

介護業界は常に変化しており、あなたのスキルや経験を高く評価してくれる場所は必ずあります。ご自身のキャリアを主体的に考え、行動することで、より満足度の高い働き方を実現できるはずです。私も、あなたの挑戦を応援しています。

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この記事を書いた人

Tom|介護現場10年の先輩

介護業界で10年の経験を持つ。データ分析が好きで、後輩の相談に乗るのが得意。押し付けず、一緒に考えるスタンス。

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ゆい

ゆい

特養→訪問介護→デイと転職を重ね、給料と人間関係を自力で改善してきた介護現場12年の先輩。データと現場の感覚の両方を大事にするタイプ。後輩の悩みに寄り添うのが好き。